50) 夢見小僧

ゆめぞう

むかしふたり人のきょうだいがあって、そのおとうとがあるよるゆめをみたそうです。おとうとあにに「さくこわゆめをみたよ、おそろしくてひとはなせるようなものじゃないさ」といました。あには「そんなにこわゆめならわしにもかせろ」といいましたが、おとうとはできないとことわつづけました。「こわゆめひとはなさないとたいへんうぞ」とっておびやかしますが、「できない」のいってんりです。

あにはとうとうあたまにきて、おとうとおにどうくつれてくと、そこになわでくくりつけもういちきました。「どんなゆめをみたかいなさい、わないとこのどうくつほうげるぞ」といました。それでも、おとうとは「はなせない」とうと、あにおとうとなわ縛りしばつけあななかろそうとしました。するとなわれておとうとあなさかさま、おにたちのすみまでちていきました。「ものがきたぞ」とおにたちはよろこおとうとをつかまえ「なんでおまえはここにとされたか」ときました。

おとうとおそおそる、「さく恐いこわゆめをみて、あににそれをはなせないとったもんだから…」とうと、「どんなゆめをみたか?」ときょうぶかそうにってきました。ここでもおとうとは「これだけはだれにもはなせない」とうと、「それじゃ、わしらのだいごろもをやるが、はなしてくれるか」といたそうです。おとうとは「それはどうすればぶんですか」とくと、「かんたんだよ」とってかたおしえました。おとうとは、「それじゃ、んでみよう、ほんとにべたら、ぼくのゆめはなしてやるよ」とってごろもました。

おとうとは、ごろもてどんどんがっていきました。そのままあるいえまでくと、りました。みんなは「おもしろおとこてんからってきたぞ」とってあつまりました。そこにはとしごろむすめがおり、婿むこ探しさがているところでした。あるはこのおとこしょうらいおおものになるとみ、おとうとあとりにしてむすめけっこんさせることにしました。

おとうとがみたというゆめは、おつきさまにあたませ、たいようあししてねむっているゆめだったそうです。まさにたいようあるあとぎ、つきむすめ婿むこになることでした。すごいはなしじつげんするまでひとにははなさないということですよ。

しゃ西にしはらマツ=ぐすく

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