29) 来間の祭りのはなし

くりまつりのはなし』

むかししもかわみつにキサマあじというつよかしらんでいました。かしらは、わかころからまいとしおおぜいしたれ、おおきなふねうみわたとおくのくにまでって、あきないをしていました。そんなかしらにもなやみがありました。ながねんどもをさずかることができなかったのです。

ようやくおんなめぐまれたのは、かしらとしをとり、ふなたびいん退たいするようになってからでした。かしらはそのむすめたいへんかわいがりました。かしらしろとおくのしまじまわたせるおかうえにありました。しろなかにわには、おおきないわがでーんとかれていました。

あるあさむすめひとり人でいわちかくにっていると、ひがしうみのぼったばかりのあかいティダ(たいよう)がゆらりとゆれ、のようなひかりをするするとばしむすめをとらえました。すると、むすめのおなかは、そのからおおきくなり3ねんものあいだおおきいままでした。そして、ようやくまれたのはなんと3たまごでした。ぞくはみんなおどろき、とくかしらは「なんてことだ、これはものたまごかもしれない、くさむらにかくしておいてようよう」とはたけのすみにめておきました。

それからさんげつたったあるかしらはたけってみると、「おじい、おじい」とこえがします。「アバ、だれか、わしをぶのは」。そこにはなんたまごのからをかぶった3にんおとこがいたのです。かしらは、びっくりしながらも、まごができたとよろこんで3にんしろれていきました。

ところがこの3にん、たいそうなおおいで、めしをいてやると、さんなんが3しょうなんが5しょうちょうなんが7しょうもぺろりとたいらげてしまいました。うたびにからだはどんどんおおきくなりますが、いちなんじゅうにんぶんこめわれると、くらこめはだんだんすくなくなってきました。さすがのかしらこまってしまいました。

そこで、どものいないのあじにそうだんして3にんをくれてやることにしました。さいしょのあじはたいそうよろこびましたが、あまりのおおいに、ほとほとあきれ、3にんかえしてきました。かしらは、かたなくみなみうみにぽっかりかぶくりじまに3にんかせることにしました。

にんうみおよいでしまわたりました。がけをよじのぼり、ってみるとそこにひとかげはなく、ひとり人のばあさんだけがしままもっていました。はなしをきくと、むかしせんにんばらといってにぎやかなしまだったが、あるときから、しまあかうしがやってきてひとり人ひとりさらってったということでした。

にんしまひとたちをたすけようと、あかうしたたかうことをめ、あかうしがやってくるひがしのウタキのちかくでせました。するとひがしうみながからあらわれたあかうしが、ものすごいいきおいでがけをがってきます。きょうだいちからわせあかうしたたかいました。さいとどめはちょうなんうしかどをしっかりにぎってからだめんたたきつけました。そして、1ぽんつのをねじり、りました。さすがのあかうしあたまからながげていきました。

つぎ、3にんかんちょうをねらってながってみることにしました。うみなかをのぞきみましたが、ちょうなんなんにはうつくしいサンゴだけがえます。ところがさんなんにはうみそこうつくしいむすめいときをしているのがえました。3にんうみへもぐってみることにしました。むすめりゅうぐうじょうもんばんだったのです。いろいろたずね、りゅうぐうかみさまにわせてくれるようたのみました。むすめは、かおをおってだらけになっているかみさまのところへあんないしました。そこで、3にんは、あかうしかみしんだったことをります。

いろいろ、はなしをするなかで、かみさまがどうしてしまひとたちをさらってたかもかいできました。じつは、しまほうさくつづいたために、それがたりまえとばかりにかみへのかんしゃわすれ、まつりもおこなわなくなったため、かみいかせしめにひとびとをさらってきたのでした。

そこで3にんは、かみさまに「これからはわたしたちがしっかりまつりもひきぎますのでむらひとたちをゆるしてください」とせいやくしょけつばんしました。またちょうなんってきたつのかえすと、かみさまはあかうし姿すがたもどりました。そして「むらびとたちもかえしてやりたいが、なまりれられているのでやくにたたん」とって、むすめだけをかえしてくれました。
きょうだいは、むすめいっしょしまもどりました。しまひとりのこっていたばあさんはむすめってよろこびました。じつふたり人はおやだったのです。それから、ちょうなんむすめけっこんしてどもをたくさんつくりました。そして、あきにはほうさくかみかんしゃするまつりをおこないました。なんさんなんけっこんしてどもをやし、それからしまはどんどんひとえてもとせんにんばらになったということです。いまでも、3きょうだいいえちゅうしんまいとし「ヤーマスプナカ」というまつりをおこなっています。

しゃうえせいきちしもくりじま

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