20) 鬼退治の三つの玉

おに退たいみっつのたま

むかしとりわかものがおった。あるときわかものおもった。「こんなちいさなむらにいただけでは、なかのことがからない。いろんなむらしままなんでこよう」とおもい、たびることにしました。

たびたくととのえ、いそいそとかけました。むらみねをこえて、あるきつかれたころまえをよろよろとあるくみすぼらしいろうじんかけました。そのままそうとおもったが、いまにもたおれそうなので、わかものは「だいじょうですか、よかったらわたしちゅうまでってあげよう」とって、ろうじんをおぶりました。

しばらくくと、ろうじんは「ああー、もうよい、つかれはとれたようだ、ほんとにありがとう」とはなし、ふたはしばらくすわっていろいろはなみました。わかものたびわけき、「そうか、きみはいろんなことをまなぶためにてきたんだな」とかんしんし、「ただ、どうちゅうはいろんなことがあるだろう。けんったら、このみっつのたま使つかいなさい。げるとひとつはみずふたやまみったまだ」とのこし、いつのえていた。

わかものは、なじいさんだとおもい、みっつのたまものそでだいにしまった。それからむらむらしまじまたびして、ぎゅうかたや、のうさくもつつくかたなどをまなび、いよいよぶんむらでそれをかそうとについた。ちゅうひとざとはなれたところでいっけんいえつけた。すこやすませてもらおうと、「ごめん、スサレー」とこえをかけた。くらいえなかからぬーっとてきたのはおにだった。いえなかなまぐさく、どうやら、やままよんだおとこおんなをつかまえてべているようだった。しまったとおもったわかものはそのげようとおもはしした。すると、うしろから、「オレのものげていくー」とっていかけてくる。わかものは、ひっはしった。ちゅうで、あのじいさんからもらったみっつのたまのことをおもし、「そうだ」とって、まずさいしょたまいききかけおもげた。わかものおにあいだには、おおきなかわができた。ところが、おにみずうえはしっていかけてくる。

わかものは、こんふたたまし、またいききかけげつけた。すると、わかものおにあいだにはおおきなやまができたが、おにやまなんのその、とげとげのアダンのやサルカケミカンもかきけていかけてるのだった。わかものは「それならば」とさいみったまげつけると、それはたまやまこりました。おににはてずとうとう、んでしまいました。わかものは、あのよぼよぼのじいさんのおかげいのちびろいしたのだった。じつは、じいさんは、かみさまで、しょうじきひとたちをたすけるやくだったようです。

わかものは、かみさまたすけられ、またいろいろまなんだことをせいかつかしたので、せいこうし、しあわせにらしたということです。

しゃまえざとざい=ぐすく

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