31) 通り池の継子台

とおいけままだい

むかし、あるふうおとこまれました。ところが、どもがまれてしばらくすると、ははおやさんちがわるくなってしまいました。ちちおやは、おとこそだてるためにアトゥトゥズ(さい)をめとることにしました。ままははは、ぶんができるまでは、そのおとこをかわいがりました。

つきがたち、ぶんにもおとこができるときゅうたいわり、ままじゃけんにあつかうようになりました。そして、はやころしてしまわないと、けたわがにこのいえがせることができないとおもうようになります。

あるゆうがたははおやはイザリ(しおり)をするためにふたり人のしました。そして、とおいけのところまでると、ふたり人をかせてひとり人でうみはいることにしました。わがは、すべりちないようにいわのごつごとしたところかせ、まますべちやすいようになめらかないわうえかせました。ははおやにはあるこんたんがあり、ぶんにはマガタマをくびにかけてやりました。

ふたり人はとおいけふちちかくにていましたが、おとうとが「にいさん、ぼくのところいわがごつごつしてむりにくいからこうたいしよう」とうと、おとうとおもいのままあには「いいよ」とってこうたいしてくれました。おとうとよろこんで、「はい、これあげる」とってははおやくびにかけてくれたマガタマをあにくびにかけてやりました。

もふけ、イザリからかえったははおやは、ぐっすりているふたり人に、まずくびのマガタマをかくにんし、ないほうとおいけとしました。そして、もうひとり人をおんぶしてひっげました。ちゅうなかが「かあさん、どうしたの、おとうとは」とくので、そこでわれかえりました。

じょうきょうさっしたははおやは、ままとし、くるわんばかりにさけびました。そして、いまみちいちもくさんにかけもどり、どものまえつづけましたが、なんへんもありません。いけはただせいじゃくたもつだけでした。とうとうぶんいけげました。

にんげんあくむくいのこわさをいまつたえています。いけみずいろときどきひょうじょうえるということで、ままははかなしみのいろにもたとえられます。

しゃ  カニ=じま

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