48) ムインズマ赤牛

『ムインズマのあかうし

むかし、カタイラマーガといってちからちのおとこがいました。むかしいえかべたけやススキでみ、にはかやせてつくったものだが、そのかべをクビといってね、それをつくるためにある、カタイラマーガはいしやまたけりにいきました。なにしろ、ちからがあるのでどうなんてりません。たけをグッタグッタとき、やまのようなたばにするとヒョイとかついでかえりました。

ちゅう、のどがかわいたのでみず求めもとあるいていました。しばらくくと、ムインズマというおんなだけのむらはいりました。「みずいっぱいめぐんでください」とむらおんなたのむと、「あなたはひょっとしてカタイラマーガさん?ちからちっていていますが、ちょうどいいところへたわ。いまもちつきをしていますが、あなたのそのあまちからでもちをついてくれませんか」といます。

「いいだろう」マーガはそでをまくりげながら、ウスときねってくるようにいました。おんなたちはマーガのちからをためしてみようとてつのウスときねをもってしました。マーガはおんなたちのしたごころづいていたので、「おれがこれをつくとれてしまわないだろうか」とうと、おんなたちはくちぐちに「だいじょうだよ、おまえさんがどんなにあつかったってへいだよ」とってはやしました。

マーガがおもってりょううでろすと、ドスンというおおきなおとともにウスはひびれ、もういちドスンとつくとウスはふたつにれてしまいました。「ほら、っただろう」とマーガがとくそうにうと、おんなたちは、うわさどおりのかいりきことうしないました。

すると、こんは「それなら、うちらをまもっているあかうしたおせるか」とってやまのようなあかうしってきました。てっこうをつけたあかうしはマーガをると、つちけむりをあげてとっしんしてきました。おんなたちは、「おまえなんか、あかうしべられてしまううんめいだよ」といって、はやしたてました。「そこまでうのなら、ようしゃはせん」とってマーガはあかうしふたつのつのをつかむと、えいっとばかりひねりました。すると、あかうしくびはぐきっとれ、あっけなくんでしまいました。

おんなたちは、このばかぢからには、がないとおもったかどうか「ウバイガウバイ」とってあやまりました。そして、まもがみであったあかうしがいなくなったいま、もうここにはめないといって、ぜんいんどうすることにしました。マーガが「どこへくのか」とくと、うみわたってしまのピャーザあたりにくということでした。

しばらくして、になったマーガがうみわたりピャーザにくと、おんなたちはあきれて「あんたはなんこわいものらずだ。たしかにゆうしゃだ」とってごちそうをつくりもてなしました。さいにビウガサ(クワズイモ)につつんだみやげまでもらってかえってきました。しまもどるなり、みやげのつつみをけてみると、ひとつはでんせんびょうのコーシャー(かいせん)のたね、もうひとつはアカのたねだったそうです。それから、コーシャーとアカはしまじゅうひろまったというはなしだ。

しゃうえきん

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