24) 蛙婿入り

かえる婿むこり』

むかし、とてもなかふうがおりました。ところが、たりだからめぐまれませんでした。としってくるとますますあせり、まいにちのようにかみさまに「どうか、わたしたちにだからをおさずけください」とおいのりしました。そのいのりがとどいたのか、つまごもり、いよいよおさんました。ところがまれたかえるでした。「グルラ、グルラ」とき、たりはただおどろくばかり。でも、ふたり人にとってはながねんったかわいいどもです。だいそだてることにしました。

しばらくするとふうは、「こんなならまなければよかった。ひとまえにはせないし、おとなりさんにかったらなんといわれるかわからない」とってかなしみました。ところがかえるは、そんなりょうしんなげきをよそに、おなかがすくとみずなかからパタパタとてきておやいっしょしょくをし、またみずなかかえっていくのです。こうしてじゅうねんちました。

あるかえるむすにんげんこと使つかうようになります。そして、「かあさん、となりむらうつくしいむすめがいるので、ぼくはそのよめにしたい」としました。ははおやはびっくりして「おまえのようなものるようなよめはいない」とはっきりいましたが、むすしんありげに「だいじょう、いいからってはなしをまとめてて」といます。かたなく、ははおやはそのいえに、みやげものやごちそうをたくさんつくってくことにしました。

いえつけましたが、ははおやなんってはいったらいかからず、いえまえでうろうろしていました。そこへむすめがやってきて「なにかごようでしょうか、よかったらなかはいりませんか」とやさしくさそれました。ははおやむすめりょうしんまえで、もじもじしていましたが、ここまでて、なにわずかえるわけにもいかないと、ありのままをげ、「むすめさんをうちのよめにもらえないだろうか」といますと、りょうしんはカンカんになっておこりだしました。「なんで、うちのだいむすめかえるよめにしなくてはならないんだ、かえれ、かえれ」

ところが、そのむすめは「とおいところを、せっかくやってきたのに、どうしておこらなくてはならないの。わたしならかまいませんよ。このひといえよめきます」としました。ははおやはこのことすくわれ、やっとのおもいでいえかえりました。ちかねていたかえるむすはさっそく「どうだった」ときました。「あのむすめは、やさしいだ。あんたのよめてもいいとってくれた。でもりょうしんはすごいけんまくおこっていたよ」とうと、「ほんにんさえ、なっとくしてくれたら、それでじゅうぶんだよ」とうと、そのからかえるむすようわりました。

ひるあいわらず、みずなかで「グルラ、グルラ」としているのに、よるになると姿すがたえなくなっていました。ははおやしんぱいになってきました。ほんとうにあのむすめはうちのかえるむすみとめてくれるんだろうか、と。それからしばらくして、むすめいえから、「けっこんしきげさせたいので、良いりをとってほしい」とってきたのです。ははおやよろこびましたが「むすめおっとになるかえるさないだろうか」としんぱいになってきました。ところが、けっこんしきとうじつかえるむすりっわかものになってあらわれ、おやたちもびっくりしました。むすめっていたのです。ぶんおっとは、ひるかえるかわをかぶり、よるになるとそれをいでつうにんげんになるということを。

かえるむすは、がくもんおそわったこともないのに、きはだれよりもうまく、ことづかいもしっかりしていました。そうして、みんなにしたわれそのむらあるになりました。のちに、しまいちばんえらひとになり、みんなに「ウンタうふうや親」とばれるようになったということです。

しゃ西にしはらほうえいくすく

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