6) 牛になった正直者

うしになったしょうじきもの

むかししょうじきものおとこがおりました。けっこんしてたりまれたころ、だいぼうふうまわれ、ひどいしょくりょうこんなんになってしまいました。ソテツのしんまでべつくし、このままだとぞくぜんいんんでしまうとおもい、おとこはあるゆうふくじんたずねて「ぞくにん助けたするとおもってあわいっぴょうけてほしい、必ずかならばいにしてかえすから」とうと、「いいだろう、きみしょうじきものだからしんじてしてやろう」

ぞくはおかげですることもなく、おまけにあわくことができました。いよいよしゅうかくだというときに、おとこおもびょうになってあっけなくこのりました。ところが、おとこはあのっても、りたあわのことがになってじょうぶつできませんでした。あるかみさまに「わたしはどうしてもかえさなくてはならないおんがあります。どんなかたちでもいいですから、わたしをもういちじょうろしてほしい」とたのみました。

おとこんでから7、8ねんったあるのこと、うしぼくじょうっているかねちのいえにみすぼらしいうしまれました。しゅじんは、あまりのみすぼらしさに、うしない、ぼくじょうほおっておいたそうです。あるおとこあわしたじんがそのぼくじょうぶんうしいてくさやりにやってきました。そこでひよわそうなうしあみからんでころがっていたそうです。「かわいそうに」じんは、あみからはずしてやりみずあたえました。たびたびそうやってしんせつにしてくれました。

あるじんかえろうとすると、「はぁい、はぁい」とひとこえがします。「おかしいな、だれもいないのに」とってかえろうとすると、またびます。そこには、あのみすぼらしいうししかいません。「まさかとはおもうが、君きみか」とじんうと「おお、ごぶさたしております。わしは7ねんまえ、あのきましたが、あなたにりたあわだわらのことがになって、この姿すがたになってもどってきました」とうしがしゃべるのです。

じんがポカンとしていると、「てのとおりの姿すがたで、しゅじんわたしのことをはなしています。おそらく、やするはずですからわたしってください。きっと、あなたのやくちます」とうしがしゃべっています。しゅじんこうしょうすると、「かねらんからっていってくれ」とい、「それではまないからあわいっでいかがですか」ということで、いえれてかえりました。

じんは、そのうしだいいました。ある、そのうしが「じつはあるかねちのいえいちばんつようしがいるはずだ、わたしはそいつにしんがあるからこめだわらひょうと、けたうしけてしょうをしようとちかけてくれ」といます。じんうしうとおりにしてしょうめてました。

そのとうじつうしは「わたしからだあわだわらカマスじゅうにもさんじゅうにもかぶせてくれ、そしていっぽうつのにはひもをつけたツガしばり、もういっぽうにはトゥカツというまるぼうをやっぱりひもとおしてしばってくれ」といます。そして、たたかうときはかざかみほうかられてくようにとわれ、じんはそのとおりにしました。こうがわからあいうしがやってくると、このちいさなうしは、あやきしてめんつちぼこりをげ、んだりはねたりしています。そのたびに、なかカマスおおきくふくらみ、カマストゥカツはおたがいにってガラガラすごいおとしていました。

このようていたあいうしは、すっかりおじけづいてパタッとしっげてげてしまったそうです。かねちのしゅじんそうぞうもしていなかっただけに、あっけにられてっていました。けはけなので、あわひょうけたうししました。

それからしばらくして、ものうしは「わたしはそろそろおいとましなくてはなりません。なんにちもんはなづなっておいてください。それから、けでもらったうしは、きをはじめたらひとゆずってください、そのほうがあなたにとってはとくです」とって、あるばんしずかにいなくなりました。

それから、なんねんかして、けでもらったうしきをはじめましたが、じんじょううつってりませんでした。すると、そのうしはしばらくしてんでしまいました。それから、みやではきをするうしわなくなったというつたえがあります。

しゃまえざとざいぐすく

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