11) ねずみとやどかり

『ねずみとやどかり』

むかしね、やまなかでねずみとやどかりがばったりったそうです。でもおたがいにあいまえりません。ねずみがやどかりにかって、

「あんたはだーれ?まえおしえて」とはなしかけると、やどかりは、

「ぼくのまえはカサカサとうのさ、こんはきみのまえおしえてくれよ」

「わたしのまえはコラマタよ」と、ねずみがこたえました。

「おたがい、おかしなまえだね」たりしました。そこでたりあいまえほんとうかどうかたしかめようということになりました。やまなかはいっていくと、そこにはかれがたくさんあって、やどかりがそのうえおもたいからをきずりながらあるくと、かれが「カサカサ、カサカサ」とおとてます。

「ほらね、もわたしをカサカサとんでいるでしょう」とうと、ねずみは、「なるほど」とうなずきました。
こんはわたしのまえたしかめにきましょう」とねずみはやどかりをさそいました。じんはいったねずみは、たんすとかおしれのかどをガリガリかじりはじめました。するとそこへ、そのいえのごしゅじんがやってきて「コラマタ!」とおおごえっています。「ほらね、ぼくのまえもコラマタにちがいないでしょう」とって、おたがいにうなずきあってなっとくしたということです。

しゃとくみねしゅんようじま

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