9) ねずみの恩返し

『ねずみのおんがえし』

ンキャーンむかし)つぁ、わかむすめやまへまきとりにくと、むらどもたちがねずみのをつかまえて、ぼうでたたいたり、つついたりしてあそんでいたと。むすめどもたちに

ツンダラッサ(かわいそうに)、はなしてやりなさい」とったが、どもたちは

ンバユ(いやよ)、ウムッシカームヌゥ(おもしろいのに)」とって、ふざけてはなそうとしないさぁ。むすめは、

「それじゃ、ねずみをはなしてやったら、おまえたちには、アダンのをとってやるよ」とうと、子どもたちはよろこんではなしてやったと。ねずみはいのちからがら、みちそばおおきなまつもとはいってったそうだよ。

あるむすめまつそばとおると
ネェーネェーねえねえ)」とこえがする。

アバ!ピンナムヌ(あら、おかしいね)、わたしぶのはだぁーれ」

ネェーネェー、こっち、わたしですよ」。よくると、このまえのねずみのまつもとからかおしているって。

「あらー、どうしたの」むすめはびっくりしたさぁ。

「このまえたすけてくれて、タンディガータンディ(ありがとう)。どうしても、おれいがしたいので、じてわたしいてきてくださいますか」

むすめは、われたとおりにじてしばらくあるいたさぁ。

けていいよー」とうので、いったいなにきるんだろうと、ゆっくりけたさぁ。まえには、ねずみのおやが7にんならんでっていたよ。とうさんねずみがていねいにおれいをしたあと、

わたしたちのだいものなかから、あなたには、はるものをさしあげましょう。このものは、そでひとりすると、しいものなんでもてきますよ。でも、このことをにんはなすと、たちまちにものくなってしまうのでをつけてください」とわれたと。

それからむすめは、なにしいときにははるものひとり、ふたり、どんどんおおがねちになったんだってよ。みんなはがってわけをこうとしたさ。そこでとうとうむすめは、ともだちにとくがってものみつはなしてしまったさ。すると、はるものは、あっというけむりになってえてしまったさ。

むすめは、たちまちもとのまずしいうえになってしまったとさ。

しゃまえどまりとくせいいけじま

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