37) ふとんゆうれい

『ふとんゆうれい』

あの忌まわしいたいへいようせんそうわって、なにもかも無くなってしまったあのころはなしです。

ものべいへいのおがりやらっさんをほどいたぬのようふくつくったり、おしゃれとはほどとおく、にまとっていれば良いくらいのものでした。もの無いので、ソテツのくき抜きもせずべてしまっていっんでしまうとか、ソテツごくなどといわれただいでした。

あるむらに、けっこんしてじゅうねんにようやくおとこ授かさずったふうがいました。それはそれは、べてしまいたいほどかわいかったことでしょう。あるふうどものたんじょう祝いいわを、むらひとたちを招いまねせいだいおこなうことにしました。とうにしては珍しいめずら祝いいわなので、むらじゅうひとたちがあつまったそうです。どもはだいうらかされていました。れ、いよいよおとこたちのさかりがはじまり、うたさんしん踊りおどだすものもいて、えんもたけなわになりました。

ギャー。とつぜんうらからみょう叫びさけごえ辺りあたにひびき渡りわたました。ひとびとなにごとかといっしゅんあん包まれつつました。ふうどものことがになってうらみました。そこには、かんがえられないようなこうけいてんかいされていました。。どもにかぶせてあったとんじょうにバタバタ揺れているのです。まるでもののように。とんしたどもはぐったりとなっていました。

ちちおやちゅうとんをはぎると、「このバケモノめ、バケモノだー」とわめきながら、にわしました。そこでもとんうごきをめることなく、バタバタじょううんどうかえしていました。それをむらひとたちはぼうち、とん付けました。それでも揺れみません。むらびとたちはこんかまとん裂きはじめました。なんと、とんよっつのかどにはひとつめかみがグルグル巻かれて縫いんであったそうです。

とうぎょうしょうにんがいろんなものあるいていて、そのふうも、そうしたひとからかわいいのためにとん求めもとたということでした。ひとり人のむらびとは「おそらくこのとんは、はか荒らしによって掘りされたもので、あくりょう移っうつていたかもしれない」とはなしたそうです。
めでたいはずのたんじょう祝いいわは、よくじつどものそうしきになってしまったという悲しかなはなしです。

しゃ西にしはらはる

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