10) かえるになった息子

『かえるになったむす

むかし、あまのじゃくでらんぼうものむすがいたそうだ。おやうことはまったくかず、それどころかいつもはんたいのことばかりしておった。

クィシィジョーブン」(これでいいよ)とうと、

アラン、カイガドゥマス」(ちがう、あれがいい)とい、「アツカ、ジョブンサイ」(そしたら、それでいいんじゃない)とうと、こんは「アンチャーアランユー」(そうじゃないよー)といったあいで、どうにもやること、なすこと、すべてはんたいしないとまなかったようだ。

おやかんがえました。「このは、わしらがんでもおそらくはんたいのことをするだろうから、ぎゃくのことをったほうがいいのかもしれない」とおもいました。あるむすんで「わしらはさきみじかい。いつおむかええがてもおかしくないから、だいはなしをしておこう。おはかかわそばつくってほしい、たのんだよ」といました。

それからまもなくして、ほんとうたりはあのってしまいました。むすはこのときばかりはなげかなしんで、おやゆいごんどおり、はかやまのふもとのかわそばつくりました。ところが、むすあめるたびにがきでなりません。「おとうとおかあながされてしまう」しんぱいよるねむれずはかばんをしていました。そして、とうとうかえるになってしまいました。

いまでも、あめるとかわそばで「わしのおとうはどこー、おかあはどこー」とゲロゲロいているんだってさ。

しゃまえざとざいぐすく

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