33) 継子の毒入り弁当

ままどくべんとう

むかし、あるところにまずしいおやにんがつつましくらしていました。あるばんちちおやむすに「わしらはざいさんすくないし、はたらいてもはたらいてもおまえらくにすることはできない。おまえともだちなどは、もうけっこんしてしあわせにらしているというのに、おまえのところへよめもいない。このままではどうしようもないので、おまえは、やまおくすみいているおじさんのところへって、そこではたらいてぶんてなさい」と、おじさんにがみいてかせました。

すみきおじさんのところへったむすは、そこでいっしょうけんめいはたらきました。いくねんぎたあるすみそばひとり人のむすめたおれていました。どうやらやまいわずらっているようで、むすほうっておけず、むすめっていえまでおくってあげました。むすめぞくたいへんよろこび、「むすめたすけてくれてありがとう」とむすにぎりおれいいました。

それからいくにちぎたあるよるむすいえをたたくものがありました。むすめりょうしんがごちそうをいっぱいこさえてたずねてたのです。「おかげで、むすめげんになりました。もしよかったら、あなたのよめにしてやってください」とうのです。むすは、まだそんなぶんではないとことわりますが、ぜひにとすすめられ、ふたり人はけっこんすることになりました。

そのうち、ふたり人のあいだには、かわいいおんなまれました。ゆきひめけかわいがりました。ところがもともとからだよわかったよめはしばらくしてくなってしまいました。こころやさしいちちおやは、かわいいゆきひめのためにあたらしいははおやむかええました。

ところが、このままははわるひとだったので、ゆきひめがっこうくにもべんとうつくってあげることはしませんでした。このせんせいは、いつもべんとうのないゆきひめのためにぶんべんとうともだちのべんとうあたえていました。

そんなあるゆきひめめずらしくべんとうってきて、はしゃいでいるのをせんせいは、すこしんおもゆきひめべんとうすこけてちかくにいたいぬべさせてみました。すると、いぬたいへんくるしみんでしまいました。せんせいおどろいてべんとうをみんなててしまいました。

せんせいは、うわさにはいていたが、すごいことをするははおやだ、このままゆきひめいえかえすわけにはいかないと、むすめそだてたということです。

しゃおくまつマツ=ひら

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